PROJECT STORY
GLOBAL
CHALLENGE IN AUSTRALIA
オーストラリアの不動産市場に、
新たな価値をもたらす
そこに住む、働く、憩う、訪れる人々のためのまちづくり。
PROJECT STORY
GLOBAL
CHALLENGE IN AUSTRALIA
そこに住む、働く、憩う、訪れる人々のためのまちづくり。
青地 秀介
三菱地所アジア社
オーストラリア支店
マネージャー
国際関係学部 卒
2017年入社
何 卓霏(ジェシカ)
三菱地所アジア社
オーストラリア支店
マネージャー
Master of Engineering (Electronic and Electrical) 卒
2019年入社
※所属、掲載内容は取材当時のものです
青地
2021年にオーストラリア支店を開設するにあたって、その立ち上げメンバーとして赴任の辞令を受けたときは、成長著しいマーケットだという話を聞いていたこともあり、心が躍りましたね。さらに赴任前に、企業がどれだけ進出しているか、その投資状況はどうなのかなどを調べ、ますますマーケットとしての重要性を実感しました。三菱地所がオーストラリアでビジネスを始めたのは2016年。支店開設前まではアジアの一部という位置付けで、比較的緩やかに投資していました。だからこそ、支店開設は、三菱地所の事業展開の重要拠点の一つとしてより一層力を入れていくというサインだなと理解しました。
ジェシカ
私は支店開設の翌年の2022年に着任しましたが、赴任の辞令を受けた当初はオーストラリア支店がどんな事業を展開しているのかあまり把握していませんでした。非常に成長している国で、とにかくやるべき仕事が山積みであることは聞いていましたが……。「これほどの活況なのだ」と腑に落ちたのは、実際、着任早々、三菱地所として初めてメジャーシェアをとる、新しい案件に参画することになった時でした。そんななか、当時はまだオーストラリアの街自体を知らない状況のなかで、学びつつ走りつつ必死に取り組みましたね。
青地
私も着任早々、新規案件を取得し、その新規案件の取得を行う最中にさらに新しい案件が出てくるという状況に直面するなかで、オーストラリアの成長を肌で感じました。赴任した年は3つのプロジェクト、数にすると8棟分のプロジェクトに参画。支店を開設したことで、オーストラリア国内における三菱地所のプレゼンスが一気に高まって、他の日系企業の追随を許さないような活躍ができた年でした。以来、順調に実績を積み上げ、オーストラリア支店はいまや三菱地所の海外事業会社の大車輪を担うことを求められていると思っています。
ジェシカ
同感です。とはいえ、イギリスやアメリカに比べると、オーストラリアは投資をし始めて7年しか経っていません。そうしたなか、一つひとつしっかりと進んでいかなければならないフェーズでもあるのかなとも感じます。
青地
それはそうですね。しかし、駐在員数でいうと、開設年は私と支店長の2人、翌年にジェシカともう一人が加わって4人、そしていまは9人になり、オーストラリアが盛り上がっていることは事実。この勢いを止めることなく、メンバー全員で、いま進行中のプロジェクトをしっかり成功に導いていくことで、さらなる飛躍も見えてくるはずです。その意味で、私たちの責任は重大ですね。
青地
ジェシカも着任早々から参画している『One Circular Quay(ワンサーキュラーキー)』プロジェクトは、スーパーラグジュアリー住宅・五つ星ホテルの複合開発で、これまでのオーストラリア案件のなかで最大投資プロジェクトです。
ジェシカ
シドニーCBD(※)というシンボリックな場所に位置する開発でもあり、注目度は高まっていますね。
青地
オーストラリアでパートナーを組むLendlease社(地場不動産・建設大手)と共同で用地取得したのがそもそもの始まり。それが2022年に急に案件化し、参画までには1か月少ししか時間がありませんでした。普通に考えればあきらめる案件です。しかし、「どうしてもオーストラリアの最高の立地で、三菱地所としてメジャーシェアの事業がやりたい」という強い想いが、私たちを動かしました。すぐに社内の上層部に東京からオーストラリアに飛んできていただき、現地を見てもらいましたね。こんな素晴らしい場所なんですと。
ジェシカ
当時、私はオーストラリアに着任して間もなかったですが、一目見ただけでこの場所は間違いないなと確信していました。上層部の方々も同じ想いを持ってくださり、GOサインが出ました。
青地
しかし、そこからが大変でした。最初の壁は、オーストラリア最高価格を目指していたことから、「そんな高額で売れるのか?」「そんな事例はどこにもない」というコメントや質問が多く寄せられたこと。先に進むには、「最高価格で売れる」というエビデンスを示さなければなりません。そこで、大規模住宅開発事業『One Sydney Harbour Residences(ワンシドニーハーバーレジデンス)』を始め、オーストラリア支店が築き上げてきた実績やマーケットリサーチ、外部アドバイザーからの情報ももらって、ロジックを組み立てました。
ジェシカ
そのロジックが奏功し、最高単価での販売価格が決定しました。
青地
そのほか、参画するまでのプロセスでは、経済性の検証、契約書のチェック、税制面の詰め、資金準備の交渉、パートナーとの交渉、工事費の概算の検証……などなど、やるべきことはたくさんありました。そんななか、社内外を巻き込み、チーム一丸となってなんとか期日に間に合わせることができました。
ジェシカ
契約書に関しても、海外のパートナー相手の共同事業の場合、英語の契約書が200~300ページが及ぶなど、ボリュームがあります。そんななか、私は日本語より英語が得意というのもあり、英語のレビューや交渉については担当として積極的に動きました。
青地
契約書やリーガルに関してはジェシカに引っ張っていってもらいました。ジェシカが赴任してきてくれなかったら、多分、期日に間に合わなかったのではないかな。
ジェシカ
いえいえ、チームワークの賜物です! 誰かが意見を投げると、みんながそれをキャッチして、オープンなディスカッションができる。そんな環境が大きな推進力になったのだと思います。
青地
そうですね。おかげさまで、結果として目標を大幅に上回る水準で、販売を進捗させることができています。
※シドニーCBD : Central Business Districtの略で、サーキュラー・キーエリアからセントラル駅までのエリアのこと。シドニーの政治、経済、文化の中心地
青地
私たちは投資家という立場なので、ともすると、あまり開発に携わっていないという見え方をすることがありますが、決してそうではありません。すごく細かいことでいうと、部屋の部材を木のシートにするか、本物の木にするか、というところまで、パートナーと議論しています。それは私たちがお客様にどんな価値を提供するかということに関して責任を持っているから。そのため常により良いクオリティを目指していくことを意識しています。
ジェシカ
まさにそう。私も自分が担当する案件では、毎週、パートナーとミーティングをしながら、細かいところまで入って理解してコミットしています。例えば、ロビーの入口に置く石はどういう感じにするか、照明の明るさは足りているかなど、そこで暮らす人たちが本当に良い体験ができるものを考えていますね。
青地
また、より良い開発を追求していくためには、外部環境の変化にも目を向ける必要があります。私はいま、『One Circular Quay』を始め、シドニーやメルボルンでの住宅案件、アクティブシニア向けの借地権付き建売住宅コミュニティなど7つの案件を担当していますが、そうした多忙ななかでも住宅事情や人口の変動などについて常にアンテナを張って、鮮度の高い情報をキャッチしながら進めています。
ジェシカ
私がいま、注力している案件の一つは、豪州賃貸住宅ポートフォリオです。住宅不足が重要な社会課題になっているオーストラリアでは、賃貸住宅(Built-to-Rent)が解決策の一つとして期待されています。しかし、日本と違い、オーストラリアでは賃貸住宅が普及しておらず、まだないマーケットに等しい。そこに私たちはファースト・ムーバーの一社として参画しています。そのため正解がわからないなかで、自分なりに考えてリサーチして、答えを導き出すというところに苦労しています。
青地
その答えを探るために、世界中の参考になる物件に足を運んでいましたね?
ジェシカ
はい、これまで覚えていないくらいの数の物件を見に行きました。特に賃貸住宅のマーケットはイギリスやアメリカが成熟しているので、そこでどういうものがつくられているのか、どんなサイズのどんなものが人気なのか、どのように運営されているのかなど、実際に目で見て、また運営している人の話も聞きに行って勉強しました。ポイントは、オーストラリアの賃貸住宅の未来はこういうものになるのかという想像を膨らませること。それをその後の事業参画・検討、プロジェクトのマネジメントに活かしています。
青地
どんな案件であれ、プロジェクトを進めるにあたって、三菱地所、そして自分自身が携わった街や住宅に住む、働く、憩う、訪れる人であふれる未来のことを考えることが大事。そしてそれが自分のやりがいにもつながっています。
青地
『One Circular Quay』において、オーストラリア最高物件につくり上げていくことが、私たちのミッションの一つ。誰もが知る、誰もが憧れる、そんなシドニーの象徴となる物件を開発し、その場所の賑わいをつくることを目指していきたいですね。
ジェシカ
そうですね。また、豪州賃貸住宅ポートフォリオについていえば、いままでのオーストラリアにはない商品、新しい住宅の選択になります。そのため私たちが開発・運営にしっかり取り組んでいくことで、オーストラリアの将来の人々の住まいへの考え方に劇的な変化をもたらすものになると考えています。
青地
オーストラリアに着任以来、各都市において、シンボルとなる案件を担当してきたなかで感じるのは、その街の顔をつくっているという誇りです。いま対岸からシドニーCBDを見渡すと、私たち自身が携わり、オーストラリア支店も入るオフィスビル『Salesforce Tower(セールスフォースタワー)』、世界的に誰もが知るオーストラリアのランドマーク、オペラハウス~ハーバーブリッジ、私たちが携わった『One Sydney Harbour Residences』の2棟、そのすべてが同じ風景のなかにあり、さらにそこに次は『One Circular Quay』の2棟が建ちつつある。そんな景色を見るたびに、シドニーのビューラインを三菱地所の力でつくっているんだ、という感覚になりますね。
ジェシカ
それもありますが、オフィスからラグジュアリー住宅、賃貸マンション、アクティブシニア向けの借地権付き建売住宅まで、様々な属性・ライフステージの方に向けた、いろんな場所をつくって提供しているのも醍醐味の一つだと思います。
青地
その通り、生活に欠かせないものから、人々の夢になるものまで、幅広くラインナップしていますね。
ジェシカ
様々なセクター、ステータスの物件を担当しているため、それなりにハードな部分もあるのですが、その分、日々新しいことを勉強する機会があり刺激的な毎日です。わずか2年間なのに、いろんな部署を経験したような感覚があります。そんななか、自分が新しいことを学ぶことが、物件の価値向上につながることも肌で感じています。
青地
私がオーストラリアで得たものの一つは、0から1へ踏み出す力です。支店長とともに支店を立ち上げ、その後、成長させることができたこと、これまで経験したことのない案件に挑み、成功に導くことができたことで自信がつきました。もう一つは、パートナーとwin-winの関係性をつくり出せるようなコミュニケーションも得意になりました。
ジェシカ
パートナーとの密なコミュニケーションはメンバー全員で意識しているところ。関係者がオーストラリア支店を訪れた際、「オーストラリア支店はしっかりパートナーの方と関係性を構築していて、本当に案件の細部まで把握している」と評価してくださったことが印象に残っています。
青地
関係者に私たちが携わった案件を見せると、「いいものを見せてもらった」という感想をいただきます。これからもより一層、オーストラリアでの三菱地所のプレゼンスを高め、海外事業会社の大車輪としての役割を果たしていきたいですね。
※所属、掲載内容は取材当時のものです
青地 秀介
自分たちが何もアクションを起こさなければ、土地さえ取得できないし、その土地に何も魅力を生み出すことはできない。そんななか、三菱地所が不動産開発で存在感を発揮できているのは、ゼロからイチを生み出すために、それぞれが熱い想いを持って物事を推進できたがゆえの結果に他なりません。
不動産開発を進める際、パートナー、施工者、設計、デザイナー、顧客、同僚など多くの関係者がそれぞれの想いで勝手に振る舞っていたら不協和音が生じ、調和につながりません。私がプロジェクトの指揮者として、それぞれの長所・短所を理解した上でゴールに向かって進めることで初めてまちづくりが完成する。そう考えています。
何 卓霏(ジェシカ)
遊園地にワクワクするようなアトラクションが多数用意されているように、三菱地所にはドキドキするようなフィールドが数多くあります。しかも、そこでの業務は、自分を成長させる仕事ややりがいを感じる仕事ばかり。それをいかに楽しむかは自分次第です。
つねに新しい環境に身を置くことこそが、自分を一番成長させることだと考えています。これからも現状に満足することなく、貪欲に新しい挑戦をしたいと思っていますし、世界でも三菱地所でしか体験できないプロジェクトを追求していきたいです。