PROJECT STORY
GLOBAL
BIG PROJECT IN INDONESIA
インドネシアの「丸の内」を起点に
社会に貢献する
まちづくりを広める
「まちづくり」という価値観をインドネシアに。
PROJECT STORY
GLOBAL
BIG PROJECT IN INDONESIA
「まちづくり」という価値観をインドネシアに。

大倉 明将
三菱地所インドネシア社
経済学部 卒
2012年入社

光井 優希
三菱地所インドネシア社
国際教養学部 卒
2017年入社
※所属、掲載内容は取材当時のものです


光井
インドネシアは人口がいまも増えており、GDP成長率も5%前後と高い水準を維持しています。当社も2019年の設立前から投資をしていますが、少なくとも向こう十数年は相対的に高い成長が見込まれると私たちは判断しています。
大倉
政府としても2036年までに高所得国入りを目指し、2045年までには世界第5位の経済大国になるという大方針を掲げています。そのためにGDP成長率も、現在の5%から8%へ伸ばそうと、国を挙げて取り組んでいる。人口ボーナス期も2045年頃までは続くと言われ、住宅や商業施設、ホテルなどの需要が増えるのに伴って、オフィスのニーズも高まることが見込まれます。不動産業界にとって多くの追い風がある一方で、われわれにとっては挑戦機会の大きいマーケットです。
光井
一方で、外資規制が厳しく、海外資本が入りにくい環境でもあります。
大倉
外国資本に頼らずとも内需による成長だけで発展を望める国ですからね。一般的なマンション開発を例にとっても、東南アジアの他の国や地域では国内のみならず、海外投資家も販売対象に取り込むことでプロジェクトが成立する目論見となっています。ところが、インドネシアにおいては実質的に外国人が購入しづらい現状があるので、基本的にすべて国内向けに販売しなければならない。そうした規制ができる背景には、人口の増加に支えられた内需の強さがあると感じます。とはいえ、国にとって外貨獲得は重要な備えとなりますので、われわれ外資がどう立ち回っていくか、駐在員たちの手腕が試されています。
光井
その点で、日系企業は競争優位にあると言えませんか?
大倉
同じアジア圏ということもあり、特にジャカルタには古くから日系企業が進出してきましたからね。しかも、日系企業は信頼に足る存在であると広く認知されていますので、進出を図る他国と比べてもビジネスがやりやすい側面があるのは確かです。少なくとも、外国人だからという理由だけで、一律に門前払いを受けることは少ない印象です。ただし、インドネシアはファミリー企業が多く、当社もプロジェクトを進めるうえでは彼らとパートナーを組む必要があるという点に、難しさもあります。
光井
ファミリー企業はトップダウンですものね。意思決定が早い反面、トップの意向が最大限に反映されるため、それこそ鶴の一声によって急な方針変換やスケジュール変更が起こることも多く、その対応にはいつも苦慮させられています。それからもうひとつ、インドネシアは人口的に世界一のイスラム教国家ですので、礼拝や禁忌、ラマダンなどに対する配慮が必要なことも留意しなければなりません。不動産開発の観点でも、礼拝の場所やお祈り前に手足を洗う場所などを確保する必要があり、信仰については日本との違いを強く感じます。それと、社会情勢の影響を受けやすく、デモによる交通規制が発生することも少なくありません。治安に関してはエリアや時間帯に気をつければ特に問題ない国ですが、公共交通機関が未発達であることから、デモによって交通規制や渋滞が発生し、ときには出社できないこともあるので困ります。
大倉
国民性として、熱しやすく冷めやすいですからね。ビジネスにおいてもブームに飛びつきやすい傾向にあるので、不動産開発のような長期にわたる仕事においては注意が必要です。そして付け加えるなら、人間関係が比較的ウェット。仕事においても個人に依拠したビジネスが成り立っている国なので、キーパーソンを押さえるためにウェットな付き合いが求められるマーケットであるのも事実ですね。
光井
いずれにしても、インドネシアの人たちは総じて愛想がよく、声をかければうれしそうに応対してくれるので、個人的には出向先がインドネシアでよかったと思っています。

光井
先ほども触れたように当社は2019年に設立されましたが、設立前から『Trinity Tower(トリニティ・タワー)』の開発プロジェクトに参画し、これが当社の第一号案件となりました。2021年3月に竣工、7月から稼働を開始し、10月に当社もこちらに移転しました。そして竣工第二号案件となったのが、2023年12月にオープンしたカラワンにあるアウトレット『The Grand Outlet - East Jakarta, Karawang(ザ・グランド・アウトレット-イースト・ジャカルタ/カラワン)』です。さらに同じ年には、アウトレット第2号となるバリでの『The Grand Outlet Bali(ザ・グランド・アウトレット・バリ)』の開発にも参画しました。こうして実績を積み重ねてきたなかでも、フラッグシップ案件となっているのが2021年から参画している『Two Sudirman Jakarta(トゥー・スディルマン・ジャカルタ)』です。
大倉
ジャカルタにおける1丁目1番地、インドネシアにとって丸の内のような場所に、複数機能を同時に立ち上げる前例の少ない複合開発ですね。
光井
3.3haという広大な土地に分譲マンションを1棟と、オフィス、ホテル&サービスアパートメント、商業施設からなるコマーシャルビルを1棟建てる複合開発で、インドネシアの国営企業と協業で推進中です。特筆すべきは、当社がメジャーシェアを取る形で参画すると同時に、プロジェクトマネジメント業務も受注していること。つまり、当社は投資するだけでなく、意思決定や調整を担いながら開発を主導する立場にあります。
大倉
三菱地所設計が技術面を担い、三菱地所レジデンスが住宅販売をケア、そして三菱地所プロパティマネジメントが竣工前後のプロパティマネジメントサポートを検討している最中です。三菱地所グループの力を結集して進めているプロジェクトであることもまた、本件の特徴と言えます。

光井
ジャカルタ中心部で新築オフィスを、それも最新のハイグレードビルで供給されるというのは数年ぶりということもあり、多くの方々から期待を寄せていただいています。分譲マンションについてもジャカルタの最高級物件であり、従来のマーケットにはなかった価格帯、品質のものが登場するということで、こちらについても話題を集めています。また、働くこと、住むことを敷地内で完結させる大規模な複合開発というのは、ジャカルタでも希少であることから、本件は新しいライフスタイルを提供できるプロジェクトであるという点でも注目されています。
大倉
その点で『Two Sudirman Jakarta』は、三菱地所が手がける「小さなまちづくり」とも言えます。ジャカルタでは新興国の勢いそのままに、脈絡もなく開発が進められ唐突に高層ビルが建つ、そうした開発が散見され、社会の発展を見据えた開発はまだ多くない印象でした。こうしたなかで、三菱地所が長年にわたり培ってきた知見や経験を注ぎ込み、「まちづくり」というインドネシアにとっては新しい価値を提供できるという意味で、本件は社会的にも意義のあるプロジェクトであると考えています。『Two Sudirman Jakarta』を通して、ジャカルタの人たちに三菱地所の「まちづくり」を知っていただき、体験いただくことで、その価値をインドネシアに還元していきたいですよね。
光井
特に開発地区はジャカルタで一番の目抜き通りに面し、公共交通機関の始点や終点となり得る場所です。現に目抜き通りの下には唯一の地下鉄も通っています。現状は車社会のジャカルタですが、公共交通機関を利用して快適に生活ができる、歩いて楽しいジャカルタを実現する求心力として『Two Sudirman Jakarta』が機能してくれたらと夢見ています。そうなれば、この国に「まちづくり」が広がる契機となると思うので。



大倉
三菱地所はこれまで、各国の一番いい場所で一番いいものをつくることを実践してきました。『Two Sudirman Jakarta』も、そのような位置付けとなるプロジェクトです。ただし、ここで勘違いをしてはいけないのは、新興国だからと言って日本と同じものをトレースすれば、それが価値になるわけではないということ。インドネシアにも、日本より進んでいること、日本より優れている点はたくさんあります。日本式をそのまま持ってくれば成功するような世界ではないからこそ、試行錯誤を重ねながら価値をつくっていく面白さを、私は海外での仕事に見出しています。
光井
私も「三菱地所のまちづくりを海外でしてみたい」と入社時から、いや就活時から言ってきた口ですが、日本でやっていることが正とは限らない、その当たり前をインドネシアで学びました。マーケットに合わせる、商習慣に合わせる。けれども単なる営利活動に終わらせるのではなく、社会に貢献する「まちづくり」を実現させる。そのバランスが大事であり、いかにしてその国に合ったカタチで実現するか。そこにこそ、簡単には正解が見えない環境で判断を積み重ねる、海外で仕事をする醍醐味があることを知りました。
大倉
日本では洗練されたまちづくりが進み、大規模開発をゼロから立ち上げる機会も少なくなっています。それだけに培った開発ノウハウを、それこそ『Two Sudirman Jakarta』のようなプロジェクトに活かせるのは、東南アジアならでは。けれども、このとき開発ノウハウを活かすことだけに留まっていては意味がない。これまで培ってきた開発ノウハウを次の挑戦へと活かしていく場、それが海外、とりわけ東南アジアだと思うからです。
光井
おっしゃるとおりだと思います。たとえば今回、ホテル&サービスアパートメントのオペレーターは、三菱地所のこれまでの事業では組んだことのないホテルブランドとなっています。これにより本プロジェクトは欧米諸国からも注目されるようになりました。東南アジアに展開する三菱地所の各拠点とは、アセット別に連絡会、情報交換会を定期的に開いています。こうした新しい取り組みや結果をしっかりと共有し、自分たちが担当する国に留めることなく東南アジアという大きな枠組み、高い視座でもって、三菱地所としての新たな挑戦へとつなげていきたいですよね。
大倉
インドネシアは、NextシンガポールでありNextタイのような国。言い換えるなら、東南アジアの未来を体現する場所であり、ここでの新しい挑戦がわれわれの経験となり、その経験が知見やノウハウとなって国内事業や他の海外事業、そして明日の三菱地所へと還元されていく。新興国で働くわれわれが、これまでの自分たちを超えていく仕事をすることではじめて、ちゃんとつくれる、実績もある、そういった力をもった若手がいる、そういう会社へと三菱地所を導くのだと考えています。そうした役目を先頭切って果たしていきたい、私はそう思っています。

光井
2019年の設立当時、当社はわずか5人体制、小さなサービスオフィスの一角からスタートしました。それがいまでは約50名の人員を抱える、海外拠点としては最大の組織へと急成長しました。18名いる駐在員の約半数がグループ会社からの出向者であり、『Two Sudirman Jakarta』のような大規模開発を海外においても主導できる企業であることを実証しつつあります。それだけに、まずはこのプロジェクトを、多くの関係者の期待と責任を背負いながら、なんとしてでも成功させたい。ニョキニョキと伸びていく建物を目の当たりにする度に、そう強く思います。
大倉
そうですね。本件は建築途中であり、途上のプロジェクト。現時点におけるインドネシアでの当社として最大級のプロジェクトとして、すべての力を注いで滞りなく、期待を上回る形で完遂させたい。そして、その価値をインドネシアの社会に還元していきたい。それをどのような形で、どんなふうに還元させていくかが、これからのわれわれの腕の見せどころだと思います。
光井
そのためには、いいものをちゃんとつくることはもちろんのこと、その過程も大事にしたい。パートナーと密に連携しながら、一つひとつのプロセスを大切にすることで、さまざまな知見を獲得していきたいと思います。許認可の問題、リーシングの商習慣といったノウハウはもちろんのこと、大小さまざまな反省点すらも、次のプロジェクトに活かせるはずですから。もしかしたら、本件は運営・管理も当社が継続的にサポートする可能性もありますので、そうした長期視点を忘れることなく、これからの業務に取り組んでいきたいです。
大倉
つくって、成功させて、運営もしているデベロッパーだと評価されれば、三菱地所はインドネシアのその他の地域や周辺国からも、「ウチでも丸の内をつくってほしい」と言われるようになるはずです。直接、われわれが主導しなくても、『Two Sudirman Jakarta』で培ったノウハウをコンサルティングに活かし、ソフトビジネスを展開することも不可能ではない。こうしたことを実現できるのが新興国であり、東南アジアだと思うので。
光井
つまりは、Next『Two Sudirman Jakarta』の探索もまた、これからのわれわれの至上命題であるということですね。
大倉
そのとおりです。インドネシアをはじめとした東南アジアでは、外国資本の多くが投資家として開発を見ています。しかし、われわれはそうではない。『Two Sudirman Jakarta』をひとつのモデル事業とすることで、三菱地所の基本理念である「まちづくりを通じて社会に貢献する」ことをグローバルに実現できる企業であると、ここインドネシアで証明していきたいですよね。
※所属、掲載内容は取材当時のものです


大倉 明将
不動産の賃料や価格というのは、そこで過ごす時間に対する対価だと考えています。しかも、「どこで誰と何をして時間を過ごすか」ということに対し、無限の付加価値を提供できる企業は極めて限られるなかで、三菱地所はそれができる数少ない会社だと思っています。
土地を地権者から買うのも、行政から許認可をもらうのも、設計者・ゼネコンと開発プロジェクトを進めるのも、結局最後は人対人。イイヤツじゃないと信じてもらえないし、イイヤツじゃないと認めてもらえない。だからこそ、信頼される「イイヤツ」であり続けたいし、そうあり続ける努力をしていきたいです。
光井 優希
不動産に関する幅広い業務を扱っており、キャリアの選択肢が多く、次の異動先を考えるたびに良い意味で迷ってしまいます。ここに当社の魅力を感じます。しかも、丸の内のような日本の基盤を守り続けるために、よりよいまちづくりを目指して少しずつ進化を続けている。ここに三菱地所の真の姿を見出しています。
初めてのことへの挑戦や新しい環境へ飛び込むことは正直、いまでも緊張します。けれどもビクビクと物怖じするのではなく、ワクワクと楽しめる人でありたいと思っています。そうすることで、昨日までの自分にとどまらず、新しい自分に出会い続けたいと願っています。
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