NANIMONO社員インタビュー
Kei
Watanabe
- PROFILE
-
渡辺 圭
再開発事業部
2015年入社
経済学部 経済学科 卒
入社後は運営事業部(オフィスビルのアセットマネジメントを担う部署)で、自社が所有する賃貸ビルの計数管理や予算策定を担当。その後、同部署で大手町エリアの竣工後物件を受け持ち、担当ビルの収益最大化を図る。そして2019年より現部署。都心エリアの再開発プロジェクトに従事。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
NANIMONO社員インタビュー
Kei
Watanabe
渡辺 圭
再開発事業部
2015年入社
経済学部 経済学科 卒
入社後は運営事業部(オフィスビルのアセットマネジメントを担う部署)で、自社が所有する賃貸ビルの計数管理や予算策定を担当。その後、同部署で大手町エリアの竣工後物件を受け持ち、担当ビルの収益最大化を図る。そして2019年より現部署。都心エリアの再開発プロジェクトに従事。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
ひとくちに「当社賃貸保有ビルの計数取りまとめ」といっても、全国に保有するビルともなるとかなりの数にのぼります。そのうえ一物件だけをみても、月ごとに賃料、共益料などの収入項目から、水光熱費、管理費、税金などの支出項目も含め、およそ100項目の数字が並んでいますので、取りまとめる数字の量が半端ではありませんでした。それに加え、すべてのビルが100%自社保有とは限りませんので、一つひとつのビルについて関係各所と連携しながら権利関係や収益構造を理解したうえで定量分析を行い、四半期毎の予算見直し、翌年度以降の当初・中期経営計画を策定する必要がありました。新人として目の前の業務に対してトライアンドエラーを繰り返す日々でしたが、賃貸ビル事業を俯瞰的且つ定量的に捉える視野のほか、ゴールから逆算したスケジュール管理、要所での関係各所への働きかけ・調整の仕方など、デベロッパーに不可欠な「段取り力」を身に付けることができました。その「段取り力」が、現在の私のワークスタイルのベースとなっています。
担当ビルのオーナーという立場で、ビルの収益最大化をミッションに掲げ、賃料水準・運営管理・長期修繕工事などの方針策定や、行政・地権者の方々との調整に明け暮れる日々でした。そこで学んだことは、開発がゴールではないということ。竣工後の運営管理を適切に行っていくことで、50年、100年と三菱地所のまちづくりは続いていくことを肌で感じることができました。上記業務に限らず、大手町エリア全体としての付加価値向上を狙い、エリアマネジメントの一環である「大手町縁日」企画にも主体的に携わり、当日は、就業者や来街者合わせ1万人以上の方々に楽しんでいただくことができました。
長期的な目線で、担当ビルの収益最大化に留まらず、エリア全体の価値を高めていく施策を地権者の方々や、社内各所をはじめとした多くの関係者と協業しながら、「主体的に考え抜く力」が大切であることを学びました。加えて、イベント企画に挑戦したことで、ゼロからイチを生み出す仕事の面白さを体感できたことは、その後の業務のモチベーションにもつながっていきましたね。
青山エリアの『3rd MINAMI AOYAMA』を担当しました。青山の新たなシンボルとなり、多様な働き方に対応できるような先進的な空間・機能を備えるオフィスビルをつくるべく、設計会社らと協業しながらアイデアを出し合い、一つひとつ丹念に具現化していきました。ビルを眺めると目を引くのが、凸凹のあるファサードデザイン。外でも仕事ができる2、3層吹き抜けのアウターバルコニーを各階で設けたい、という大胆な発想を取り入れるための試みであり、既存の枠組みにとらわれない挑戦志向を持ち続けたことで、そこでしか得られないオフィス空間を感じていただけるようなビルが完成しました。結果的にポストコロナの時代を見据えた、わざわざ来たいと思えるようなオフィス空間の実現に貢献でき、チャレンジングな発想を取り入れて実行していくことの重要性を体得できました。
ある案件で、再開発事業存続の危機に直面しました。危機を乗り越えるためには、ドラスティックかつ早急に事業スキームをゼロから組み立て直す必要がありました。一見すると全く先が見えない業務でしたが、共同事業者にとっても当社にとっても互いにwin-winとなるようなスキームがつくれないかを連日連夜、あらゆる視点で知恵を振り絞り、試行錯誤を繰り返しました。結果として、関係者全員が納得できるスキームをつくり上げ、事業を前に進めることができたことで、共同事業者からも「諦めずにやり抜く志に深く感動した。私が心動かされたのは三菱地所という企業ではなく、渡辺さんという人間だ」と言われたときには涙が出るほどでした。
地権者の方々をはじめ、多くの「想い」を一つにする仕事だからこそ、困難な壁が幾つも立ちはだかります。そうしたなかでも諦めることなく、自分の「知恵」を出してどうしたら成し遂げられるのかを、自分事として考え抜くことが大切であるということ。さらには、win-winを追求することは綺麗事ではなくビジネスの本質であるということを、身をもって学ぶことができました。
現在、JR山手線ターミナル駅の近隣エリアでのプロジェクトを担当しています。再開発プロジェクトも事業規模が大きくなればなるほど、地権者のほか、行政や鉄道・周辺再開発事業者など、関係者の数も大幅に増えます。特に地権者の方々から信頼を得ることは簡単なことではなく、重要なのはまさに自分自身の人間力。打ち合せや会議だけの関係性で終わりにするのではなく、町会関連イベントに進んで出席したり、夜の宴席の場に顔を出したり、プライベートでも趣味のゴルフやサウナで懇親を深めたり。信頼関係の深め方は自分次第であり、会社対会社で進められる大規模再開発も、その成果は最終的に人対人で決まると実感しています。まちづくりに対して華々しいイメージを抱いて入社した私ですが、その裏にある地道で泥臭い仕事の積み重ねをいかに大事にできるかが、デベロッパーとして大切なことだと感じています。
三菱地所は、世の中が刻一刻と目まぐるしいスピードで変化しているなかで、様々なステークホルダーを巻き込みながら、常に一歩先の変化を生み出し続けるリーディングカンパニーであると考えています。
ある上司から言われました。「満たされているものからは何も生まれないよ」と。以来、志を高く持ち、無から有を生み出す挑戦を心がけてきました。しかし、それには周囲の協力が不可欠。様々な関係者と信頼関係を築けるよう、愛嬌溢れる人でありたいと願っています。