NANIMONO社員インタビュー
Goro
Obayashi
- PROFILE
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大林 悟郎
サステナビリティ推進部
2012年入社
法学部 政治学科 卒
入社後、4年にわたり三菱地所プロパティマネジメント株式会社に出向し、2016年より開発推進部で大丸有エリアのエリアマネジメントを担う。2020年からはエリアマネジメント企画部で『Marunouchi Street Park』などを手がけ、2022年より現部署でサステナビリティを推進。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
NANIMONO社員インタビュー
Goro
Obayashi
大林 悟郎
サステナビリティ推進部
2012年入社
法学部 政治学科 卒
入社後、4年にわたり三菱地所プロパティマネジメント株式会社に出向し、2016年より開発推進部で大丸有エリアのエリアマネジメントを担う。2020年からはエリアマネジメント企画部で『Marunouchi Street Park』などを手がけ、2022年より現部署でサステナビリティを推進。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
当時、担当するビルのなかにテナント企業1社が全フロアを専有する「一棟借り」のビルがあり、その一部フロアが返室されることになりました。一棟借りのビルはテナント企業の持ちビルのような仕様となることが多いため、その一部分だけの入退去は通常よりも難しいとされていました。そうしたなかで私は、既存テナントとの原状回復工事に関する交渉から、新たな借り手を探すためのオーナーとの条件設定、仲介会社への営業(情報出し)、新規テナントとの条件交渉、そして入居工事に至るまで、一連の入退去を主担当として推進しました。当時は三菱地所プロパティマネジメントに独立した営業機能が無く、外部オーナー物件の営業活動は、三菱地所の営業部に頼るケースも多いなかで、私は仲介会社との積極的な情報交換、戦略的な情報出しを自ら実行。有名企業を誘致し、成約まで持ち込むことができました。一人前に仕事ができることを実証できたことにより、大きな自信を手に入れました。
稼働中のビルの担当としては色々な経験を積んできましたが、新築物件を担当することは初めてでした。入社から3年が経ち、異動もあり得るタイミングでもありましたので、1部署目での集大成と、自らにプレッシャーをかけるつもりで臨みました。ここでの業務は、ビルの運営管理視点、お客様視点からのアドバイザリー業務。開発担当部、設計会社、ゼネコンとともに、開発時点からテナントの入居を想定して図面をチェックし、一部の設計変更や管理条件などを詰めていきました。当時にしては珍しい「屋上開放」というテナントニーズに応えることになり、安全安心に配慮した形でいかに屋上を開放、利用してもらうかを、社内の安全管理を専門に担うメンバーと議論、調整を重ねて実現させました。ビル開発に正確な設計図が必要であるように、運営管理にも柔軟なルールが必要。お客様の利用を想定し、「これで万全」と思える利用規則が定まってはじめて、ビルが生き物として稼働を始めます。その瞬間まで主担当として一から関われたことは、よい経験となりました。
2016年に同部へ配属されて以来、大丸有エリアマネジメント協会(通称Ligare)の事務局次長として、公的空間の利活用に関する行政協議、イベント実施などを担ってきました。2018年秋には丸の内二重橋ビルが竣工し、内部に特区貢献施設としてDMO東京丸の内の活動拠点「Marketing Suite」が誕生。Ligareもここを活動拠点とすることになりました。私は本計画の途中から担当になり、施設の内装フェーズ以降の進行役、プロジェクト管理を担いましたが、折しも同施設がオープンした年は大丸有協議会30周年、丸の内シェフズクラブ10周年など、各種取り組みが一つの節目を迎える年でもありました。そこで私は1日限りの仲通りでのイベント「WHITE WIGHT NAKADORI」を企画、実施。いま思えば後の「Marunouchi Street Park」への布石となった出来事でした。Marketing Suite開所以降、社内外から色々な案件が持ち込まれるようになり、エリマネへの期待、関心の高まりを肌で感じることになりました。
前年の「WHITE WIGHT NAKADORI」を経て企画、実施したのが、丸の内仲通りに5日間限定で公園空間をつくる「Marunouchi Street Park」でした。5月の心地良い季節の丸の内仲通りを存分に味わっていただきつつ、街の使い手である就業者や来街者の共感、理解を得ながら、街の将来像を皆でイメージしていける場にしたいと考えました。そこで「普段は交通の導線としての役割が主の『道路』を『公園』に変えてしまおう!」と同僚と企て、仲通りに天然芝を目一杯敷き詰め、24時間の車両交通規制を認めてもらえるよう、警察、千代田区と粘り強く協議を重ねて実現に至りました。最終日には東京都知事もお見えになり、「東京の道路空間の目指すべき姿」と大いに賛同いただきました。そして、これを契機に都の「パークストリート東京」という枠組みができ、次年度以降の拡大実施へとつながりました。街をどう開発するかを考えることと同様に、街をどう活用するかを考えることもとても大事。関係者のベクトルを合わせ、未来に向けて街に新しいシーンを創出する。エリマネが果たす役割の大きさを実感しました。
「日経SDGs フェス2022秋」のESG会議のテーブルで基調講演を行いました。当社も2020年から参加しているイベントで、これまで専務や常務がスピーカーを務めてきました。他社も役員の方が名を連ねるなか、このときはフレッシュさを出してみるという方針のもと、恐れ多くも私がプレゼン役を担いました。当社が大丸有エリアのまちづくりをPPP(公民連携)の精神で進めてきたこと、そして現在の「大丸有SDGs ACT5」の活動についてお話しましたが、図らずも自分のキャリアを振り返る機会ともなりました。実感したのは入社以来、ビルや空間をどう活用し、いかに街に新しいシーンを創出するか、どうすれば人々の共感を得られるかを考え続けてきた10年であり、まちづくりはすべてつながっているということ。コロナ禍を機に人々の暮らしや社会が変容しはじめているときだからこそ、そうした変化を先導していけるような取り組みを、街とともに実現していきたいと思っています。
現状に満足せず、挑戦する姿勢を常に持ち続けている人が多い会社です。その理由は、大丸有エリアという絶えず実証実験やチャレンジを続ける主戦場があるから。加えて、事業分野は多岐にわたり、やりたいことをいつでも何でも提案できるフィールドがあるから。
自分や自分の仕事が脚光を浴びることよりも、自ら関わった街や取り組みが人々の共感を集めていくことにやりがいを感じる性分。ですから、そうした縁の下の力持ちでありたいという気概と、新しく何かを切り拓くチャレンジャーでありたいという想いを込めて。