PROJECT STORY
JAPAN
民間で日本最大級のニュータウン開発
泉パークタウン開発
総開発面積1,070ha。街開きから四十数年、
そして新しいまちづくりが始まる。
PROJECT STORY
JAPAN
民間で日本最大級のニュータウン開発
総開発面積1,070ha。街開きから四十数年、
そして新しいまちづくりが始まる。
米今 大貴
東北支店 主事
工学部 建築学科 卒
2008年入社
増田 啓輔
東北支店
政治経済学部 政治学科 卒
2015年入社
※所属、掲載内容は取材当時のものです
米今
東北支店で私たちが携わる『泉パークタウン』は、民間では日本最大級のニュータウン開発といわれています。総開発面積は約1,070ha。東京都千代田区とほぼ同じという広さ。そこに現在、約1万世帯、約2万6千人の人々が暮らしています。
増田
私は、新入社員研修で一度見学に来ていました。その時は要所を垣間見るような感じでしたが、東北支店に転勤してきてその全容を体感し、改めてスケールの大きさに驚きました。
米今
街の東西の距離は約6km。東京でいうなら丸の内から新宿まで。この広さは、なかなか想像できないと思います(笑)。 私も増田さんも同じタイミングで2019年4月に東北支店に異動してきましたね。仙台駅前にある支店から自分で車を運転し、緑豊かな郊外にこの街並みが現れるのを初めて見たとき、すごくワクワクしたのを憶えています。
増田
驚くのはスケールばかりではありません。『泉パークタウン』の街開きは1974年。その時代に「自然との共生」というコンセプトを打ち出し、当時描いたマスタープランの通りに街をつくりあげてきた。そんな三菱地所の先輩たちの先見性と意思の強さは驚くばかりです。
米今
街の中心部にはショッピングセンターやアウトレットモール、ホテルがあり、さらに病院や学校、スポーツ施設、企業や工場などが揃って一つの街を形づくっている。「住む」ばかりでなく、「働く」「憩う」「学ぶ・集う・楽しむ」という機能が独自のゾーニングによって理想的に調和されていますね。
増田
『泉パークタウン』がその当初から守り続けているものの一つに「シビルライセンス」という考え方があります。住宅地開発というと、土地を造成し戸建て住宅やマンションを建てて完了、というイメージがあるかもしれませんが、そうではなくて、住民の皆様と一緒に街を成長させていくのだという考え方です。つまり、ずっと進化し続けるまちづくり。それも『泉パークタウン』の大きな魅力だと感じています。
米今
その新たな進化の象徴ともいえるのが、現在、私たちが取り組んでいる第6住区の開発ですね。
米今
いま新規開発が進む第6住区は、『泉パークタウン』の西端にあたるエリアです。開発がスタートしたのは2018年11月。第1弾として東側の工区の開発を進めています。一戸建用の宅地、約720区画。約2千人の方が住む街をつくり出す計画です。
増田
今回の開発では、三菱地所とパナソニック、パナソニック ホームズ、関電不動産開発による共同開発方式を採用しています。『泉パークタウン』の住宅地開発事業では初めてのスキームですね。
米今
まちづくりのキーワードは“サスティナブル&スマート”。事業者の他に仙台市や東北電力などが加わった協議会も発足し、「エネルギー」「交通・物流」「健康」「安心・安全」といったテーマのもと検討を進めています。
増田
エネルギーの自産自消や効率的なモビリティ施策など、すでに動き始めているものもありますが、具体的な検討はこれからというステップです。
ただ“スマートシティ”というと先進的な響きがあるかもしれませんが、あくまで「人を、想う力。街を、想う力。」を体現するまちづくりですよね。
米今
そうですね、先進技術だからといって何でも検討するというわけではありません。あくまでもこの街で暮らす人ありき。住民の皆様に根ざした目線を一番大切にしています。
例えば、モビリティ施策にしても、第6住区は地下鉄の最寄駅から一番離れたエリアになる。その交通の利便性を街としてどう実現していくかという根本的な検討から生まれてきたアイデアです。
増田
この先何十年にわたってランニングコストを負担していくのは、この街の住民の方々です。私たちは、それを見据えた仕組みづくりを進めていかなければなりません。サスティナブル(持続可能)であること。それは『泉パークタウン』を生み出した時から三菱地所がずっと守り続けているコンセプトですね。
米今
増田さんは最近、毎日のようにここ『泉パークタウン』に足を運んでいますね(笑)。
増田
はい。第6住区の開発が本格化するとともに、『泉パークタウン』内に新しくサテライトオフィスもつくったので、こちらにいることが多くなりました。最近は、共同事業者や行政などとも週2程度のペースでミーティングがあり、毎日学ぶことばかりですね。
私たちがこちらに異動してきた2019年4月は、ちょうど丘陵を切り拓き始めた時期でしょうか。現在はまさに宅地造成の最中。現場を訪れる度に、少しずつ街の原型が現れるように変化していて、それを見るだけでもワクワクします。
米今
第6住区の開発面積は約148ha。『泉パークタウン』の西の端といっても、東京の大手町・丸の内・有楽町エリアがすっぽり収まるという広さです。おそらく現在進行中の住宅地開発事業としては日本最大級でしょう。私は、この第6住区開発は、日本一の超高層ビルを建てる常盤橋の開発とも肩を並べる、三菱地所を代表するプロジェクトだと思っているのです。ぜひ、一人でも多くの人にこの開発を知ってほしいですね。
米今
『泉パークタウン』には、30年以上もこの街に住み続けられている方がたくさんいます。そのような住民の方にお会いして話を聞いていると、「こうしてずっと人生を重ねていくような街を、いま私たちは第6住区でつくろうとしているのだな」と実感します。
増田
この街で住んでいることを誇りに思っている人が大勢いらっしゃいますよね。『泉パークタウン』は、ここに住む人の人生に寄り添うような街だと思います。例えば、この街で生まれた子どもが成長して大学を出て、東京で働くようになる。そして帰省したとき、「やっぱりこの街はいいな」と思われるような街がつくれたらいいですね。
米今
そう。第6住区に住む人はもちろん、このエリアができることによって全体の価値が高まって、『泉パークタウン』で暮らす人々の誰もがより誇りを持てるようなまちづくりをしたいと思っています。
増田
このように街で暮らす人たちとの距離の近さも『泉パークタウン』の魅力だと思いますね。近隣住民の方々との調整で地元の住民のお宅を訪れ、お茶をご馳走になってお話を聞くようなこともよくあります。
米今
先日は、「近所にイノシシが出没するようになったので対策を考えてください」という電話をいただきました。そう急に言われても……(笑)。
増田
このあたりでは、『泉パークタウン』といえば三菱地所の街というイメージがあるので、支店に直接電話を頂くこともよくありますね。そういうことも含めて、『泉パークタウン』のまちづくりならではの面白さだと感じています。
米今
最後に支店の話を少ししましょうか。東北支店の場合、事業範囲は東北地方すべてですが、中心となるのはやはりここ仙台周辺ですね。
増田
社員の数は約20名。基本的に『泉パークタウン』、「仙台駅周辺開発」の2チームで構成されています。私は『泉パークタウン』、米今さんは両方のチームを兼務している形ですね。
米今
増田さんはいまや『泉パークタウン』のプロフェッショナルのような仕事ぶりですね(笑)。 第6住区の開発ばかりでなく、グループ会社と連携した既存街区の管理も重要な仕事。なにしろ約2万6千人の方々が住む街なので、そのサポートだけでも大きな仕事です。
増田
商業施設の入れ替えを検討したり、最近では当社が管理する土地にカフェのリーシングも担当しました。その一方で、『泉パークタウン』での導入を模索している地域型交通システムの実証実験を行うために、既存街区の町会長さんに相談に行ったりもしています。先ほども言いましたが、このあたりの人と人の関係の濃密さが私にとって、支店での仕事の醍醐味の一つになっています。米今さんは、支店で働く魅力ってどこにあると感じていますか?
米今
何よりスタッフが少ない分だけ、関われる仕事の範囲が広いこと。土地の仕入れから開発、運営まで、都市開発のすべてを自分で手がけられることが大きな魅力だと思っています。実はいま、仙台駅周辺で新しい再開発を模索しているところです。『泉パークタウン』の第6住区と並んで、ぜひ自分で仕かけてみたいプロジェクトですね。
増田さんはこの先、東北支店でどんな仕事をしていきたいと思っているのでしょうか?
増田
いまはとにかく目の前にある第6住区開発のことで頭がいっぱいです。このプロジェクトに持てる力のすべてを注ぎたいと思っています。
米今
第6住区の街開きの予定は2022年。いまからその日が楽しみです。私たちが頭のなかで思い描き続けている街が目の前に出来上がり、そこに灯がともる瞬間をぜひ見届けたいですね。
※所属、掲載内容は取材当時のものです