NANIMONO社員インタビュー
Eijun
Tei
- PROFILE
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鄭 瑛淳
新事業創造部 兼 スマートエネルギーデザイン部
2009年入社
経済学部 経済学科 卒
入社後、主に都内の丸の内を除くエリアのオフィス開発に従事し、2011年にグローバル事業推進部に異動。海外現地法人のサポートを担い、2016年より三菱地所ロンドンで経営管理業務を担当。2019年からは、新事業創造部でベンチャー出資をはじめ新事業の開発に取り組む。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
NANIMONO社員インタビュー
Eijun
Tei
鄭 瑛淳
新事業創造部 兼 スマートエネルギーデザイン部
2009年入社
経済学部 経済学科 卒
入社後、主に都内の丸の内を除くエリアのオフィス開発に従事し、2011年にグローバル事業推進部に異動。海外現地法人のサポートを担い、2016年より三菱地所ロンドンで経営管理業務を担当。2019年からは、新事業創造部でベンチャー出資をはじめ新事業の開発に取り組む。
※所属部署・掲載内容は取材当時のものです
初めての用地取得と初めての物件売却を、同時期に達成することができました。用地取得については、リーマンショック後の不景気の時代でしたので、先輩とともに、社内外で泥臭く粘り強く、何度も交渉を重ねた末の成果でした。また物件売却については、売却手続きにあたって必要になる膨大な資料の作成を自身が主導して進め、地味な作業ながらも重要な役割を果たしたと思える仕事ができました。ともに社会人として初めて会社に貢献できたと実感した出来事でした。
三菱地所に入社した当初は、まったく海外事業を志望していなかっただけに、予期せぬ異動となりました。主な業務は現地法人で案件が動き出したら、それを実現させるべく経営層をはじめ社内各所との調整を進めること。基本的な役割としては、現地法人がピッチャーだとするとこちらはキャッチャーで、現地法人の動き出しを待つような受け身の姿勢になってしまっている自分を苦しく感じることもありました。とはいえ、能動的に動こうとしても当時の自分はその術がわからず、時間を持て余してしまうことも。入社して2部署目の時期というのは、社会人として伸び盛りのタイミングでもあり、会社の看板プロジェクトを手がけているような同期もいるなか、果たして自分はこのままでいいのか、と悩むことも多かったです。
もともと海外志向ではなかったとはいえ、海外事業に携わり続けたなかで、自分もグローバルにチャレンジしたいという思いも湧いてきた矢先、2016年に晴れてロンドン駐在となりました。業務内容は主に経理業務を中心とした、いわゆるアドミ業務全般。面白くて仕方なかった、というわけではありませんが、非常に勉強になりました。経営層が意思決定をするための材料をそろえる仕事だったので、業務を通じて会社のダイナミズムに触れた経験は、今後に活きると思いましたね。バックオフィス業務とはいえ、外部の関係者とのやりとりももちろん発生し、そこで私は言葉の壁にぶつかりました。日本にいるときから勉強していた英語が全く通用せずかなり苦労し、現地では仕事以外の時間をほぼ英語の勉強に充てることにしました。
業務の傍ら英語学校に通う日々を過ごすなかで、ポーランド人のクラスメイトとの会話のなかで、「海外駐在は自分の希望だが、ロンドン勤務自体は会社の命令だ」という話をしたところ、彼女はその仕組みをまったく理解できない様子でした。転職も含めて自分のキャリアは自分でつくっていくことが当たり前のヨーロッパの人たちからしたら、たしかに不思議ですよね。そうした交友関係など、これまでとはまったく違う環境に身を置くなかで、自分は世間や他人の常識や評価軸ではなく、自分だけの軸を持って主体的に生きることができているか、と考える時間が増えました。以来、自分が働く意義はどこにあるのか、自分が本当に実現したいことは何か、そもそも生きる意味とは何なのか、深く考え、色々な人に話を聞きに行ったりもしました。そして導き出した答えが、人の役に立つこと。シンプルですけど、この答えにたどり着けたことは、私の人生にとって大きなターニングポイントになりました。
まさに自分自身に価値観の転換が起こったように、これまで世界が進めてきた右肩上がりの成長だけを求めるようなやり方では、企業も個人も行き詰まっていくのは明らかなように思います。現在担当している再生可能エネルギー事業もそうですが、SDGsやサステナビリティのコンセプトに通じる事業開発や、それにつながるアクションを続けたいと考えています。
例えば、物質的に満たされている人たちにとっては、便利さや快適さを手にすることで得られる幸福感というのはあくまで一時的で、本質的な幸福には実はつながっていないのではないかとも思います。一方で、まだ物質的に満たされていない人たちも世の中にはたくさんいて、そうした人たちは誰かの助けを必要としていたりします。あくまで一例ですが、そうした人たちのサポートをすることで、助けてもらった人もハッピー、助けた人もお役に立ててハッピー。こうした与える、与えられるの関係を超えた幸福の形もあるのではないかと思っています。
誰かの助けを必要としている人たちと、助けを提供できるゆとりがある人たちをつなげる。あるいは、サステナビリティやソーシャルの世界とビジネスの世界をつなげる。そうすることで、社会をよくすることができるのではないか——。私はそう信じていますし、そうした自分の想いを三菱地所での仕事を通じて表現し、社会を良くしていくことに、自分の働く意義、生きる意味を見出し、現業務に従事しています。
叱ってくれる人もいれば、なだめてくれる人、励ましてくれる人もいるし、黙って見守ってくれる人もいる。新事業に関して、一見本業とは関係の薄そうな領域でのチャレンジを許容してもらえるのも、ファミリーのような信頼関係があるからだと感じています。
いまはとにかくビジネスとサステナビリティ、あるいは資本主義のロジックで動いている世界とそうでない世界など、ひと昔前までは交わることがないと思われていた領域や人同士をつなげたい。そうすることによってより良い社会づくりに少しでも貢献できる人になりたいと思っています。